レトロ印刷用データのつくり方

先日、「かさこ塾フェスタ名古屋」のイベント用に、カレンダーを作成しました。頼んだのは孔版印刷という、ちょっと特殊な印刷をする「レトロ印刷」。版画のようなかすれや風合いが出る非常におもしろい印刷なのですが、入稿方法がやや大変。私もDTPをやっていたので普通の印刷の知識はあるのですが、それとは全く別物。入稿してからも何回も不備が見つかったり。親切に1つずつ教えてくれるんですが…ある程度やり方を知っていないと敷居が高いのも事実かな、と今回学んだ方法を載せておきます。

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一般的な印刷は特殊な場合を除き、白黒かカラーから選ぶと思います。カラーだと色数も自由ですが、レトロ印刷は単色刷り。インクの種類と色も、あらかじめ決まっているものに合わせなければなりません。今回は2色を使っての方法を説明します。
まずは好きな色で作ったデータを、2種類のインクを選んで置き換えます。イメージは変わってしまいますが、開き直ってこれもおもしろいかもという気持ちで振り分けてます。
インクの種類は、「レトロ印刷」のサイトからテンプレートをダウンロードすると記載されています。テンプレートはなるべく使った方が安全です。

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2色刷りの場合、1色ずつ別々にデータを作ります。版画を思い浮かべるとわかりやすいかもしれません。しかし、このままだと問題が。

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2色が重なり合う部分が、混色してしまうのです。あえて混色したい場合はいいのですが、したくない場合は処理をする必要があります。

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この場合、青のまるの上に赤いまるが乗っています。なので、青いまると赤いまるの間に白を挟むと、混色しません。下になる青い版に白い色を乗せます。

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完成したデータ。2色が重なる、ボタンとバケツ部分が白く抜けています。
混色させるとより複雑な色を表現できますが、慣れないと出来上がりの想像ができないので私はまだ挑戦していません。うー奥が深い。
私が多かったデータミスは、白い版の作り忘れの他に、あるはずの部品が版を分けた時になくなってしまう、でした。一度データを重ねて確認してみるといいかもしれません。一度で入稿OKとなるには、慣れが必要な印象。1回データミスがあると、修正して送り直して確認してーと余計に日数が掛かってしまいます。予定の納期+数日余裕を持つのがベターかと。

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DTPデザインの進化


転職して、最初の仕事として商品カタログ作りをやっている。前の職場ではチラシ等は作っていたものの、カタログのような大物は作っていなかった。その前はDTPデザインをやっていたので、久しぶりに帰ってきた感じ。
資料探しに行った本屋にあった、DTPの雑誌を久しぶりに買う。+DESIGNINGの「デザイン・DTPの新常識」。内容は、主にはアドビ製品の新しく追加されたけど案外使っていない機能など。
その中で、私がやっていた時代では当たり前だったDTPのデータ作成方法も、変わっていっていると知る。
例えば、画像はeps形式が絶対だったけど、扱える容量も変わってきているので、psdやtiffでもOKだったり。データのサイズは、トンボがすっぽり入るサイズで作ってたけど、断ちサイズで作る方がいいとなって来てたり。
もちろん、その辺は印刷会社のやり方によっても変わってくる。
けれど、移り変わりの激しいWebと違って、DTPは変わらないと思い込んでいたと感じた。常に更新していく気持ちが大事だな。

チラシ作成のコツ 余白の大切さ

151001それなりに上手く整っているけど、何となくプロが作った「チラシ」っぽくない、という場合、周りの余白が少ないことが多い気がする。
紙面ぎりぎりまで文字が来ているとどうも、素人っぽさ、が出てしまうのだ。

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チラシだったら、最低でも10mmずつくらいの余裕が欲しい。名刺だと5mmくらいかな。デザインにもよりますが。
色とデザインも大事ですが、余白も一つの表現なんですね。

色ムラ、かすれる レトロ印刷がおもしろい

DTP業界からWeb業界へ転職して、けっこう経つ。
今も仕事でチラシ作成などはしているものの、気持ちはすっかりデジタルに移っていました。
そんな中、名刺を作る必要があり、どうせならちょっと変わったことがやりたいなとこちらの印刷屋さんに発注することに。

レトロ印刷 JAM
http://jam-p.com/insatsu/

印刷屋に名刺やチラシを発注する場合、印刷方法は主に2つ。
オフセット印刷とオンデマンド印刷。版を作成し、専用の設備で印刷するのがオフセット。一般の印刷物はこれですね。
オンデマンドは、いわゆる「プリンタ」のプロ仕様という所。普通のプリンタと同じく、データさえあれば印刷できるので、少数印刷が可能。

JAMさんでは、「孔版印刷」という方法が使われています。メッシュ状の版にインクを通して刷る、シルクスクリーンや版画に近い方法という事。その為、ズレやかすれ・色ムラが発生します。が、その効果を逆におもしろく活かした表現ができるのです。

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私が印刷してもらった名刺です。パッと見、普通の印刷と変わりませんがよく見ると独特のかすれ効果が出ていておもしろい。「レトポミニ」サイズの厚紙です。紙の種類によっては、もっとかすれ効果が出るのもあると思います。インクが付く、と書いてあり心配でしたが、一度乾いたら水で濡らしてこすっても大丈夫でした。
後は、入稿方法が少し特殊ですが、間違っている所は電話で親切に教えてもらえました。

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こちらのページに、色々な作品例が載っています。見ているだけでワクワクするー。
http://jam-p.com/jamoki/

大阪の印刷屋さんなのですが、「印刷で遊ぶ 印刷と遊ぶ」をテーマに、実店舗を使ってワークショップを開催していたり、ちょっと行ってみたいです。
また、発注者とクリエイター結ぶ「omusubi」というプロジェクトもあります。将来的にはWeb展開も予定しているそうなので、発足したら登録してみたいな。
http://jam-p.com/ko-han/omusubi.html