雑誌クウネル、新旧考察

いきなりのまるっとリニューアルが話題になって、2冊目のクウネル7月号。定期購読で届いているので、それが終われば買うことはないだろう…ということで、今のうちに一体何が変わったのか、デザインからちょっと考察。

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まずは大きさ。A4サイズの旧版に比べると、ひとまわり大きい。

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目次。サイズが大きくなったわりに、内容が減っている。そのため、旧を見慣れた目には全体を通じてスカスカした印象になってしまう。特に、旧はサイズの割に文字量が多かったので余計に。

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基本、各ページのタイトルまわりも余分な装飾がない。黒1色の、文字だけで魅せるのは、センスが問われる。右が新クウネル、上揃えでかっちり組んでいる。左が旧、余白を大胆に使って「間」を見せるデザイン。空間ができることによって、そこに何か言葉にできないものを表現するのだ。

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ページの比較。右が新、左が旧。全体に新は、写真と文字以外の余白が大きく感じる。新の方は、「普通に」きちんとデザインはされているのだ。けど、旧の方のセンスがやはり抜きんでている。後は、カメラマンも恐らく入れ替えられている。旧の方は、アートに近いような写真が多い。「暮らしの手帳」に松浦弥太郎が就任した時、元々いたカメラマンを入れ替えたそうだが、それくらい写真というのは印象を左右する。

新の方を読んでいて、文字のサイズの大きさに、もしかして雑誌の年齢層を結構上にしたのかも、とふと思った。そして、今回の特集「大人の離婚・大人の事情」を読んで確信した。事例の投稿の年齢が全員50代だったのだ。これは、そもそも根本的にターゲットが変更され、それに合わせて作り替えられている、まったく別の雑誌だ。(旧クウネルの年齢層は、30代~40代が中心かなと思う。)やっぱりここまで全く別のものにするなら、旧を廃刊にして新しく雑誌を作ればよかったのに、と思う。新の方も、すべてが悪いわけではないし、本屋にあったら手に取って見てただろう。(買いはしないと思うけど)

コンセプトのある本屋

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9月にリニューアルした、名古屋パルコの本屋LIBROにようやく行ってきた。名前がcarlova(カルロバ)360となっており、思った以上に変わっていた。売り場が半分くらいの大きさになり、カフェが併設され、雑貨等も置かれている。東京ではだいぶ前からあるカフェで本が読める店も、名古屋では珍しい。
一番今までと違う、と思ったのは本のジャンル分け。NEWS、Creative、Comfort、Care、Skill、Independent、Community、Social、Earth、Travelという10種類に分けられている。「生活クリエイター」の為の素材やアイデアを探す、というのがコンセプトらしい。本の内容で分けるのではなく、書店のコンセプトに合わせて本を選んでいる。

ネットや電子書籍の普及で、本屋はもう行く必要がない場所となりつつある中、色々工夫しているんだなと思う。ラシックや金山駅に入っている「 ザ・リブレット」という本屋も半分くらい雑貨のスペースを儲けている。本というのは、新刊や雑誌以外そう変化がない分、雑貨を入れ替えることで、新鮮味が出る。
ただ、その分本の売り場スペースは狭くなる。LIBROにしても、店時代が小さくなった上にカフェ等ができたので、本の数は以前の1/3以下くらいになった気がする。

こういう、雑貨やカフェ併設の本屋は、買いたい本があって買いに行く本屋ではもうないんだな。買いたい本が決まっていれば、ネットで買える。専門書はジュンク堂や丸善に行けばあるし。ふらりと行って、セレクトされた本に出会う。本屋といっても、店によってかなりコンセプトが変わっているんだなー。本屋に限らず、店舗はただものを売るというだけでなく、変化していくんだろう。それは、ちょっと楽しみだ。

暮らすことへの愛おしさを感じる雑誌、クウネル

雑誌、「Ku:nel クウネル」。2003年に創刊され、今年で12年目。
ストーリーのあるモノと暮らし、をテーマに何気ない生活ー人の暮らし、ものを紹介している。
創刊号だけ買いそびれたけれど、最初に出た時からずっと愛読しています。

出てくるのは無名の一般の人が多い。けれど、モノを通して語られるストーリーで、とても親近感を感じる。これだけ長い間続いていいるのに、軸がブレることなく、紙面デザインもほとんど変わっていないように思う。
後、記事の書き方が普通の雑誌とは違うように思う。まさに、物語というか。読んでいるだけで世界観に入り込んでしまう。
75号でいうと、巻頭は海辺の街でビールを作る人。ボロボロの物置を家に改造して住むギター弾きの男性。誰かのいつものお弁当を覗く。旅先で日曜日をどう過ごすか、等。

日常のことがテーマだけれど、読んでいると日常を離れてなんだかふわふわした居心地の良さに包まれる。見えない所で、かなり影響を受けている雑誌です。

 

わたしの理想はこの子だった、長くつ下のピッピ

150808突然ですが、私の理想の人間像は、「強く・優しく・そして自由」なんです。強さは一人でもしっかり立てるということ、他人の意見に簡単に惑わされないこと。優しさには強さが必要です。自分の足で立てているからこそ、他の人の痛みに気が付ける、人に傷つけられてもそれを他の人にまわしたりしない。
そして他人の意見を取り入れられる、いつでも心の枠を変えられる自由さ。この3つが揃ったらすっごい素敵な人になれるんじゃない…!?

前置きがちょっぴり長くなりましたが、「長くつしたのピッピ」の絵本を買って読んでいたら…
ピッピって、自分の理想やんっ!!!
ってなったんです。
ピッピは世界一強い女の子。両親がいませんが、「ごたごた荘」で、たくましく楽しく一人暮らしをしています。そんなピッピの家に、ある夜二人組のドロボウが入りました。もちろんドロボウなんかにやられるピッピではありません。彼らをたんすにほうりあげた後、金貨を1枚ずつあげ言うのです。たべものでもかってちょうだい、と。

ピッピは、やさしいのです。すごく強い人は、すごくやさしくなくちゃ…ね
(こんにちは、長くつしたのピッピより)

…なんか泣いた。
姪っ子にあげる予定だったんですが、もう1冊買おう。