イギリスひとり旅~3日目、コッツォルズ~

正直、一番懸念していた日。朝8時にヴィクトリア駅の1番プラットフォームに集合ってとこが。が、調べるとヴィクトリアはラッセルスクエアから一度乗り換えるだけ。しかも、昨日降りたGrean Park経由なんで多分大丈夫。イギリスの地下鉄は、表示に進んでいけば乗り換えも問題ないし、行く方向も降り口に分かりやすくサインがあるので、事の他迷う事はなかった。改札出口も基本一箇所だし、東京の方がよほど複雑だろう。
朝ごはんは7時からで、出たのが7時なので食べられず。前日に水タバコ屋で買っておいたチョコレートマフィンを食べる。備え付けのポットでお湯を沸かし、紅茶を入れるがーすっぱいんですけど!?ミルクを入れてもごまかせない。ポットの洗浄のクエン酸かなと想像する。ちなみにこのミルクスティック、粉かと思いきや液体の不思議な代物だった。マフィンはチョコチップ入りで甘そうだけど、意外に甘さ控え目で美味しい。やっぱりスイーツのレベルは高い。
7時少し前にホテルを出て、駅へ。もう覚えたかと思ったけどちょっと迷う。ほんと、地図アプリがなかったら何倍も苦労してたな。難なくヴィクトリア線に乗り換えて、ヴィクトリア駅へ。
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ヴィクトリアは巨大な駅だった。地下鉄はもちろん、国鉄のホームが沢山あるので、ここを拠点にイギリスを旅するのだろう。イギリスで一番くらいに一日の利用者が多いとか。
旅行会社からもらった地図を頼りに、一番端にあるプラットフォーム1に到着。30分程待ってると、ちらちら日本人らしき人が集まってくる。ベンチでもう少し待とう、と思ってたら急に電話が鳴り、え、ツアーの?と思い、思わず20秒ほど出てしまう。おーぅ、sit!これカード会社の保険の勧誘の電話じゃねーか!いくら請求来るんだろ…とうい事に頭が一杯のまま、集合時間になりバスへ向かう。ストーンヘッジ行きツアーは、10人以上いたけど、私たちは6人。バスではなくバンだ。というか、車で行くのね。自分が酔いやすい事を思い出し、酔い止め買ってくるべきだったと後悔する。案の定それは私を苦しめる。
最初の村はバンフォード。高速を2時間程走る。途中、古い住宅地が見える。一つの大きな家に何人か住むが、特徴的な煙突は湿気の多いロンドンでは喘息の原因となり、今は禁止されているそう。
少し眠りつつ、10時頃バンフォードに到着…というか、みぞれ降ってる。むしろみぞれというより見た目ははっきりと雪だ。
雨混じりの大きな塊が斜めに降り注いでいる。さすがに珍しい事らしい。そしてすごく寒い。歯の根が合わなくなる程。ロンドンが暖かかったので、長袖のTシャツ、その上に少しだけ厚みのある衿つきシャツ、薄いナイロンコート、薄手のストールという軽装で来てしまった。せっかくヒートテックも持ってきたのに…ロンドンより数度低いらしい。足元の冷え込み、はないんだけど、空気が冷たい。震えながら、ガイドさんに着いて古い教会へ向かう。フリーで回ってもいいし、最初だけ要所に案内してくれるのに着いて行ってもいいらしい。

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今でも使われている教会は、歴史を感じつつきちんと手入れされ親しみも感じられる場所だった。教会を起こした司祭夫婦の墓が内部の一画に設けられている。その前には古い機械仕掛けの時計。10時の鐘が鳴る。これで昔は時間を知らせていたんだな。外には、墓地もあるーって、こういうの見るとどーしてもドラクエ思い出してしまう。絶対出てきたもん、こういう場所!
後は自由に。坂の両脇に店が立ち並ぶ。パン屋のエコバッグが日本で紹介されたと聞いて、素朴な麻布の作りのを大小買う。ピンクと赤。パンを入れるのに通気性が良さそう。後はスコーン好きなのでレーズンの入ったフルーツスコーンをひとつ。
と言ってる間にそろそろ集合だ。運転手さんがイギリス人の非常に親切な人で、傘を持っていない人の分を買い、見つけて渡しに行っていた。雪の中外で待ってるし…。
さて、次はバイブリー 。テキスタイルデザインで有名なウィリアムモリスが、イギリス一綺麗な村と称した場所である。ウィリアムモリスの展覧会に昔行ったな、図録持ってた気もする。デザイン史でも必ず出て来る名前。
村の中心に小川が流れ、400年以上前に建てられた民家は未だ使われている。こじんまりと小さく、ガイドさんによるとその時代の男性は160センチくらい、女性で140センチくらいだったらしい。日本人もそうだが、人間も進化しているってことか。ちょっと晴れて来た。寒いけど。
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水面にやなぎの枝が垂れ下がり、オフィーリアが漂っていたのはこんな雰囲気かと思う。カモや黒い白鳥が雨の後の流れの早い川をわりと必死に横切って行く。
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お土産屋で、カードとペンを買う。モリスのテーブルクロスも良かった。買えば良かったと今思っている。ますの養殖の為の池が何箇所かある。有料トイレに入るかと思い硬貨をいれるが戻ってくるんだが。あきらめる。
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奥にあるのがますを養殖している池。池は何箇所もある。自然に溶け込んでいる。日本だったらフェンスが貼られ、「ます養殖所」って札を貼ると思う。手前はカモ。寒そう。

次、お昼に着いたのは一番大きく観光地化されたボートン・オン・ザ・ウォーター。真ん中を小川が流れ、ショップやレストランがたくさん。日本人の中には、外国で日本人に声を掛けられたくない人もいると聞くので、ツアーの人には声を掛けず一人ランチを探す。と、同じツアーの5,60代の女性2人組にご一緒しませんか、と声を掛けられ、もちろんとOK。旅慣れた方たちと思っていたけど、息子さんを訪ねて旅行に来ており、二人だけでまだ行動してないので不安だったらしい。私も、一人では店に入りにくく、大英博物館の簡単なカフェしか入ってないのでありがたい。
フィッシュアンドチップスと軽食のある店へ。入り際、手順が書いてあるが簡単な単語の組み合わせなのによくわからない。
ひとまず席を確保し、レジのお姉さんに聞くと、テーブルナンバーを聞かれる。戻って確認、16番。と伝えると、レジで16と打って確認してくれた。そしてそんで?と戸惑っていたら、日本語メニューを出してくれたので、ちょっと待って下さい!と、メニューを持って二人の元へ戻る。先に注文して支払いするタイプぽいです!と伝える。
私は、ここに来るまでに既に車酔いの兆候があったので、油ものはヤバイとホットサンドとティーにする。お二人は、前の席に座っていた人たちがフィッシュアンドチップスを大量に残していたのを確認、半分こするとの事。懸命。
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親戚という二人は、非常に仲良さげだが旅行は初めてらしい。どこから来たかとか、私がフィンランドの乗り継ぎでわたわたした話とか楽しく話す。久しぶりに会話というものをし、自分の脳が3歳児でなかったと確認出来た。
会話出来ないとあははと笑う事も出来ないのだな。
もう集合時間に近かったので、写真の撮り合いをし、ぐるっと周りながらバスへ。
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自動車博物館や、香水博物館もある。

さて、最後はブロードウェイ。ニューヨークのそれと同じだが、元は凱道という意味らしい。この辺、山道という程ではないがくねくねしており、また少し気持ちわるくなる。三半規管弱い。
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超高級住宅街で撮影用に車を停めてくれ、みんなささっと撮影。
古い建物が価値あるイギリス、コッツォルズの家の値段はロンドンと同じ、少なくとも一億、それ以上するらしい。

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ショップが多いが、しかし寒い。甥っ子におもちゃ屋でミニカーを買うと、もう時間近い。450年以上前に建てられたホテルでトイレを借りたが、原始的な石と木と鉄の造りで雰囲気が良く、すごく高そうだが泊まってみたいと思う。
今日はデジカメでなく富士フイルムのナチュラという感度の高いフィルムカメラを持ってきたが、果たして撮れているのか。どこを見ても絵になるので36枚撮り切ってしまった。(ここへ載せているのはスマホで撮ったもの。うまく写っていたらまた載せます。)
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後は帰るだけだが、ここからが地獄、車酔い。念のためシゲキックスの梅味を持って来ておりそれを噛む事で必死にこらえる。寒くなったり暑くなったり、かなーりきつかった。
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羊がたくさん居たけど、車中余裕がなく撮れず。子羊も居てかわいかったが、お肉に…なるらしい。

18時前にようやく、ヴィクトリアへ着く。みんなの分のお土産のケーキまで買ってくれ、降りる時は常に転ばないよう見守ってくれたほんと穏やかで親切な運転手にサンキューソーマッチ、と伝える。
ガイドさんも落ち着いたベテランの女性で頼りになったし、ツアーの人たちもみんなのんびりした人で雰囲気良く、とても楽しめた。車酔いで迷惑を掛けずに済んでほんと良かった…。お昼を食べた二人にもお礼を言って別れる。
今すぐベットに倒れ込みたい気分だったが、電車に乗らなければならない。元気だったらこの駅で夕飯食べるつもりだったけど。というか、構内に入ると低い歌声の合唱が響く。これなんだっけ、と思ってるとガイドさんがサッカーの試合ですね、と言い、あーと思う。土曜日ということもあり、異様な熱気。そして改札口に人が溢れている。私、昔ライブでぎゅう詰めになって、あまりの苦しさにそれから人混み恐怖症。身動きのできない、すぐ逃げられない状況になると軽くパニックになりそうになる時がある。東京の電車とかほんと恐怖。
なので、ガイドさんと別れた後、人が空くまで死んだような顔で壁の隙間にもたれて待つ。程なく空いて来たので、地下鉄で帰る。一見激混みでも、やはり東京よりだいぶまし。
食事が全く出来そうになかったので、駅前のスーパーで恒例のチップスと、水、小さい青リンゴを一つ買う。硬貨の見分けが出来ず、細かいのある?と言われるがわからず、財布を見せて出してもらう。手間かけるのぉ。ホテルに着きものすごくほっとする。
まとわりつく寒さが取れず、セーターなど着込んでベットに潜り込む。
少し寝ると、だいぶ回復したので、こんな事もあろうかと持って来たカップラーメンを食べる。
はー、もうなるべく車で遠出したくないが、乗る場合は酔い止め持って行こう、絶対。飛行機にもあるといい。

投稿者:

Rie

音楽好きのデザイナー、イラストレーター